沖縄で学び 各地で育つ、つくり手たち 5月15日(金)~23日(土)

沖縄で学び
各地で育つ、つくり手たち
2020年5月15日(金)~23日(土)



沖縄・読谷山焼北窯の松田米司工房、松田共司工房、
宮城正亨工房にて修行し、
自身の故郷やご縁のある土地に根をおろし、
それぞれの目指す器づくりをされている
作り手の器をお披露目させていただきます。

■出品の作り手

野はら屋 佐々木かおり(鹿児島)
1971 鹿児島県薩摩川内市祁答院町生まれ
1995〜2005 北窯松田米司工房で修行
2006 薩摩川内市祁答院町にて開窯



中ノ畑窯 佐藤央巳・友美(大阪)

佐藤央巳
1973年北海道稚内市ナイポポチ出身
松田米司工房勤務

佐藤友美
1974年 大阪府高槻市生まれ 

1997年~2005年
    読谷村・壺屋焼陶真窯
    読谷山焼北窯宮城正享工房
 
2009年 大阪府高槻市中畑に築窯




穂生窯  井村詩帆・廣兼 史(新潟)

北窯・松田共司工房で8年間修行した井村詩帆さんと、
京都生まれ沖縄県立芸大出身の廣兼史さんが
沖縄で出会い、井村さんの地元である新潟で独立。
2018年、新潟県燕市国上(クガミ)で単室登窯を築窯。
試行錯誤を繰り返しながら月1〜2回ペースで窯を焚く
ハードボイルドな日々を過ごされています。




西持田窯 津田堅司(島根)

1988年 香川県高松市に生まれる。
2007年 倉敷芸術科学大学専門学校陶芸コースに入学
2009年 卒業後、読谷山焼北窯 松田米司工房に弟子入り、
    10年修行する。
2019年 妻の実家の島根県松江市に移住し、 
    単室の薪窯を築窯。
2019年 7月に初窯を焚く。





※5月5日追記
政府による緊急事態宣言の延長により、
フクギドウ201号室での開催を
事前アポイント制とさせていただき、
一度のご来店数を限定させていただきます。
また同時にWEBでも開催させて頂きますので
ご自宅でごゆっくりお選び頂ければと思います。

■フクギドウ201号室での開催アポイントにつきまして

5月15日(金)~23日(土)までの会期中、
10時~11時
11時~12時
12時~13時
13時~14時
14時~15時
15時~16時
の間でご予約制とさせていただきます。

ご希望の日時を2,3候補ほど、下記までご連絡下さいませ。

また1時間に4名様までのご入店で調整するため
ご予約の際に人数もお知らせ下さいませ。

追って、ご連絡させていただきます。

ご返答は営業日にさせて頂きますので
お返事にお時間頂戴する場合もございます。
あらかじめご了承下さい。

(ご予約先)
Instagram @fukugido_staff のDM
WEBSHOPのお問い合わせフォーム
からお願い致します。


・・・・・

今回は新型コロナウイルス拡散防止のため
つくり手の在店を取りやめたため
お客様とつくり手が直接会う機会がないので
お客様に代わって、アレコレ質問をしてみましたので
その中から抜粋して、いくつかご紹介します。



Q.沖縄で学んでよかったことは?

A.

野はら屋・佐々木かおりさん

米司親方、そして北窯に出逢えたこと。
親方は大嶺工房で16年間修行されただけに腕の良さ、
職人としての姿勢、かたちへのこだわり、
沖縄陶器への愛、情熱がある親方でそんな親方の元、
修行できたことはとても幸運だったと思っています。
幸運といえば草創期の北窯に出逢えたこともそうで
親方達も弟子達もあの大きな窯を焚く、
沖縄から良いものを作り出すという情熱が
沸沸と湧き立つような場に
居れたことは財産だと思います。
共に土や薪を作る共同作業を通してゆいまーるを
体感させてもらえた事、地元のものを使って
焼き物を作るという事などなど
北窯で学べて本当に良かったなと常々思っています。


中ノ畑窯・佐藤央巳さん

米司親方と過ごせたこと。


中ノ畑窯・佐藤友美さん

沢山ありすぎて、思い出すだけでありがたくて
泣きそうになるんですが、
昔からやきもんやさんがやってきたような
原料採ってきて土やら釉薬作って…
という器になるまでの一連の作業を繰り返し
経験できたこと。
また、宮城親方の仕事を隣で
見ることができたこと、親方だけでなく
他の親方や先輩や仲間のつくってるところを見れたこと。
いろんな人のいろんな手(つくり方)を見れたことです。
求めれば快くいろんなことを教えてくれるのが
とてもありがたかったです。
比較的みんな感覚的な言い方で教えてくれるんですが、
そういうとこも私には合っていました。


穂生窯・井村詩帆さん

土から作り、登窯で焚き続けるという
北窯の信条を多少なりとも
受け継ぐことができて良かったです。
親方の目を通してものを見れたことが、
今の自分の物作りの糧となっています。


西持田窯・津田堅司さん

形の素晴らしさや仕事の進め方、
米司親方の考え方など、良かった事ばかりで、
一つあげるのは難しいですが、
沖縄の形のおおらかさ、同じ皿やマカイでも
浅いならこのリズム深いならこうと、
はばのある美しさにはとても心ひかれました。
全部まとめると、親方の弟子になれた事が
一番大きいですね。



Q.沖縄の修行中、好きだった作業や、好きになった器、形、釉薬などあれば教えてください。

A.

野はら屋・佐々木かおりさん

蓋物を修行後期には作らせてもらってましたが
パーツが組み合わされて
完成していく様が面白く好きでした。
今でもくっつけていくもの、蓋物、カップ、土瓶、
ポット類作るの好きです。
それと共同作業での土作り、薪割り、窯焚きなど
汗水流し泥にまみれて働く事で
頭ではなく体で覚えるそういった作業が
私にはとても合っていたようです。
そういった意味では全ての作業が好きだったのかなぁ。
器、かたち、釉薬に関してはやっぱり沖縄のもの、
特に古いものと金城次郎さんのもの
に惹かれました。「壺屋十年」「沖縄の陶器」には
かなり衝撃と影響を受けました。


中ノ畑窯・佐藤央巳さん

親方がろくろを回す目の前で親方のための土を
菊練りする作業は割と好きでした。
あとなんと言っても窯焚き!
それから、古い沖縄の陶器は
どれもテンション上がります。


中ノ畑窯・佐藤友美さん

沖縄の陶器で好きなのは、マカイ。化粧の仕事。
沖縄で採れる原料でつくったもの。
ふるいもの。好きな人もたくさんいますが、
なんといっても宮城親方が好きです。
なかでも、勢いよくひいて、
いっちんしたものが好きです。

窯焚きは好きでした。大きな家族みたいで。
窯焚き直前にみんなで薪を運ぶ作業も好きでした。
細かく言い出したらめちゃめちゃ出てくるので、
ここでは窯焚きのことだけにしておきます。


穂生窯・井村詩帆さん

好きだった作業は、共同作業と呼ばれる
土づくりや薪作りといった、いわゆる雑用の部分。
中々轆轤に座らせてもらえず、
当時は辛くてフラストレーションMAXだったことが
今となってはいい思い出。笑
沖縄の好きな器は、涌田マカイと油壺。
おおらかだけどピリッとした緊張感に痺れます。


西持田窯・津田堅司さん

土づくりや草刈り、窯焚きから窯出しまで
全般それぞれ好きなポイントはありました。
ですが、ひとつだけの作業をやり続けろと言われれば
どれも大変な作業も多くて辛くなってくるので、
年に五回の窯焚きにむけてその時期に応じて
色々な作業を日々こなさなければならない、
北窯の作業は性にあっていたな、と思います。
私の沖縄の焼き物の好きな所は、おおらかな形です。
皿にしてもマカイにしても、
おおらかで食べ物を許容する力のある、あの形が好きです。
修行させてもらいはじめてから、
四年位は皿しか作っていなかった事もあって、
皿には思い入れはあります。

特に、米司親方の作る皿は本当にすごいです。
決して重いわけでは無いのに、
厚みを感じるふっくらとした優しい、
けれども力強い皿です。
いまでも、私の目指すイメージです。



Q.今、作りたいものや、これから目指したいことなどは?

A.

野はら屋・佐々木かおりさん

最近はコロナのこともあって今後の仕事のことをよく考えます。
で、今一番思い、目指したいのが地元の土、
材料だけで作ること。。って
結局北窯で学んだことなんですけどこれがやっぱり
一番目指したいことかなと。
いろんな材料が手に入るようになって
どんな焼き物もできる世の中だけど
いいものっていうのはそんな環境じゃ
できないんじゃないかと改めて思っています。
力強さ、オリジナリティ、
美しさを備える焼き物を作るために
足元を掘ることを大事にしていきたいと思っています。
そしてずっと言い続けているように
薪窯で焼きたいという願いがあります。


中ノ畑窯・佐藤央巳さん

体の動く限り自分の育てた稲で釉薬を作って、
地元の間伐材を割って健やかな器を焼いていきたいです。


中ノ畑窯・佐藤友美さん

具体的に言うと、これは好きなマカイから繋がってるんですが、
優しい感じの白化粧を探しています。白化粧だけのしごと。
化粧土の色合い、カタチとか土とか釉薬とか焼きの兼ね合いも含めて出せるんだと思うんですが、
ずっと探しているし、悩んでます。
土地に根づいてできていくものもつくっていきたいです。
これはここで生活してつくっていると
どんどんなってくるんじゃないかと思います。

漠然とした感じで言うと、愛嬌があるものをつくりたいです。
日本や異国のふるいものとか好きな人がつくったものとか、
いつも惹かれるものには愛嬌がある気がして。
どうやったらそんなのつくれる人になれるんだろう…?
はっきりとはわかりません。
ただ、自然をはじめまわりの環境や
周囲の人たちに生かされて
日々ものづくりしていることに感謝して、
健やかに悩み続けながらものづくりしていたら、
いつか近づけるかもしれないと思っています。



穂生窯・井村詩帆さん 廣兼史さん

新潟の古い焼き物を追いたいです。
北国らしい器を生んでいきたいです。



西持田窯・津田堅司さん

懐かしい人や物に会った時や、
綺麗な空や草木を見た時みたいに
心がぎゅってなるような。
装飾的な話ではなく、「かわいいなぁお前」と、
思わず撫でたくなるような、
そんな人の心が動く物が作りたいです。